令和7年度に、家庭用・業務用などの水道料金の値上げを検討しています。料金改定の検討に至った水道事業の現状についてお知らせします。
水道管の老朽化
赤平市の水道事業は、昭和30年に給水開始後、今日まで70年近く経過しました。この間、人口の増加や市内の炭鉱の相次ぐ閉山による拡張事業で集中的に整備した水道管の多くがすでに更新時期を迎えており、赤平市の水道管のうち、50%以上が耐用年数を過ぎた老朽管となっています。
このまま老朽管が増えると、水道管の破裂などで漏水事故が多発する可能性が高くなり、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。
また、多くの自治体で水道施設の耐震化率が低い状況にありますが、赤平市においても同様で、今後、国から巨大地震に備えた対策を進めるよう強く求められるものと思います。
将来にわたって安全な水を安定的にお届けするために、「管路耐震化・更新計画」及び「赤平市水道事業経営戦略」を策定して、水道管の更新事業を進めているところです。
給水収益(料金収入)の減少
水道事業の収入の主要を占める給水収益(料金収入)は、人口減少や節水機器の普及などにより減少傾向(表1)が続いています。浄水場で作った水を配水管に送った水量である「配水量」や料金の支払い対象となる水量である「有収水量」が減少(表2)する中、老朽管の更新などで今後も多額の費用がかかることから、水道事業の経営環境は、非常に厳しいものとなっています。
令和5年度においては、料金収入などと維持費などの費用の収支である「収益的収支」で赤字決算(表3)となっており、今後もこの傾向が続くと予想されます。
◆令和5年度までの人口と料金収入の推移(表1)
◆令和5年度までの水量と有収率の推移(表2)
財政収支の見通し
水道料金の改定を行わなかった場合は、収益的収支の赤字額がどんどん膨らみ(表3)、老朽管の更新事業を行うための財源(剰余金)が減少(表4)し、非常に厳しい状況となります。
◆収益的収支の令和5年度と6年度以降の見込み(表3)
◆更新事業費と財源(剰余金)残高の令和5年度決算と6年度以降の見込み(表4)
料金の改定率については、皆様の過度なご負担とならないよう、慎重に検討しております。
住民懇談会にて、水道料金について、ご意見やご質問をいただきました。その一部を紹介します。
料金の見通しはどうなりますか。
当面、令和7年度からの3年間の収支バランスがとれるよう改定率を検討しています。その後も定期的に料金改定の検討を行っていきます。
電気料金の値上げが影響しているのですか。
水を送るのにポンプを動かさなければならないので、電気料金の値上げによる影響もあります。
老朽化した水道管を更新するために値上げをするのですか。
料金収入が減少し、水道事業を賄うことができなくなってきています。そのため、水道管の更新だけではなく、水道事業の経営全体を考えて値上げを検討しています。
浄水場は建設してどのくらい年数がたっていますか。
浄水場は建設してからおよそ50年が経過し、計画ではあと20年ほど使用する見通しとなっています。今後、赤平市単独で浄水場を建設するのか検討していきます。
水道事業を他の自治体と広域で運営できませんか。
例えば、中空知広域水道企業団に加入する、または企業団から水を買うという場合、先方の浄水場から赤平までの水道管やポンプ施設などの建設が必要となります。単独で浄水場を建設するのと同じくらい莫大な費用がかかるとの試算をしています。また、企業団に加入した場合、老朽率の高い赤平市の水道管を企業団が抱えることになりますが、他の構成市町にとって事業費負担が増大するものと思われます。企業団への加入は相手方があることですので、お互いにメリットがなければ難しいものと考えます。
引続き、さまざまな可能性について検討してまいります。