令和4年度教育行政執行方針(令和4年第1回定例会)

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教育行政執行方針を述べる高橋教育長の写真

はじめに

 令和4年赤平市議会第1回定例会の開会にあたり、赤平市教育委員会の所管行政の執行に関する方針について申し上げ、市議会並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 幼稚園及び学校教育においては、これからの社会を生き抜くために求められる資質・能力の育成に向けて、地域社会と連携・協働し、その実現を図ることができるよう、それぞれの段階で教育活動の改善を進めているところであります。

 また、赤平市立小・中学校適正配置計画に基づき、(新)赤平小学校が令和4年4月に予定通り開校いたします。最新の施設設備が整った校舎で、充実した教育活動が展開されることを期待しております。

 社会教育においては、第6次赤平市社会教育中期計画に基づき、新型コロナウイルス感染症の感染リスク低減と活動の充実とのバランスに配慮し、乳幼児・青少年・成人・高齢者の教育、芸術・文化・文化財・スポーツの振興、及び社会教育の基盤整備を図り、市民の主体的な学びや地域における生涯学習活動を支援するとともに、市民の多様なニーズに応じた学習機会の提供や学習成果等が広く活かされる機会の提供を通して、持続可能な生涯学習社会の実践に努めてまいります。

 令和4年度につきましても、教育行政を計画的に進めたいと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症への警戒を継続しながら、衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」に基づき、関係者の協力体制のもと衛生環境を保持するとともに、感染リスクの低減と活動の充実とのバランスに配慮し、令和4年度の教育行政を進めてまいります。

 以下、学校教育、社会教育の順に教育行政を推進する上で、特に重点として設定した取組について申し上げます。

学校教育の推進

将来に生きて働く学びの充実

 1点目は、学びの充実についてです。

 これからの時代を切り拓いていくために必要な資質・能力を子供たちに育むためには、授業力の向上と家庭学習の習慣が非常に重要と考えております。
 授業力の向上については、道教委の指導主事による指導訪問において、引き続き各学校の研修を指導してまいります。
 また、学習内容の定着については、家庭学習の役割が非常に大きく、学力検査で推し測る結果を改善するためには、家庭学習習慣を改善する必要があると考えます。
 そのため、小学校、中学校ともに、学校での学びの復習が家庭学習で実行に移されている状況や、赤平市として設定した家庭学習の時間的な目安がどの程度達成できているかについて、教育委員会としても定期的な把握に努め、学校と家庭が連携して家庭学習習慣の改善を進めたいと考えております。

 次に、ICT機器の効果的な活用についてです。

 令和2年度の国の施策により、児童生徒一人一人がタブレットを使える環境となるよう、従来の計画より3年前倒しして整備が進められました。
 今後については、これからの時代を生き抜くために必要な資質・能力を育むための授業改善を優先して進めるとともに、タブレットの効果的な活用について、道教委の指導主事による指導訪問を通して、各学校を指導してまいります。

 次に、特別支援教育・通級指導の充実についてです。

 本市では、平成27年度より赤間小学校において通級指導が開始されていますが、困り感を抱える子供たちは年々増加しており、一人一人の教育的ニーズに応えるための通級指導教室の役割は、ますます重要になっています。
 令和4年度についても、引き続き小学校に設置することとなりますが、今後とも指導体制の工夫・充実を進めたいと考えております。

豊かな心と健やかな体の育成

 1点目は、読書習慣の質の向上についてです。

 本市においては、各学校とも読書の時間を日課表に位置づけ、本に親しむ機会を保障しています。良い本や好きな本との出会いが、学校以外でも読書に親しむことにつながることを期待しております。
 学校教育の教科の学習の基盤は国語にあるといわれますが、その力を向上させるために効果的なのは、読書習慣の充実にあると考えております。関係団体と連携を深めて、読書活動が活性化するよう努めてまいります。

 次に、不登校傾向の児童生徒への対応についてです。

 不登校対策で最も重要なことは、学級経営を充実させ、安心して学校生活を送ることができる環境を継続させることです。しかしながら、子供たちを取り巻く環境の影響で、不登校傾向が進行する人数が、全国的に増加傾向にあり、本市においても同様の傾向が見られます。
 そのため、各学校では、不登校傾向を早期にとらえ、段階的な解消に向けてきめ細かな対応に努めています。今後についても、不登校傾向への対応策の拡充について検討してまいります。

 次に、いじめの未然防止についてです。
 赤平市いじめ防止基本方針に位置づけられているとおり、望ましい人間関係の醸成に関する教育活動を充実させ、いじめの未然防止に繋げることが、その基本と考えています。
 そのことを踏まえ、いじめを認知する状況になった場合には、子供に寄り添ったきめ細かな指導を迅速に行い、いじめの解決に向けて組織的な対応を進めています。
 今後についても、望ましい人間関係の醸成等、いじめの未然防止を組織的に進めることができるよう、各学校及び関係機関と連携を深めて指導の充実を図ってまいります。

 次に、望ましい生活リズムの確立についてです。

 子供たちが健やかに成長していくためには、適切な運動、調和のとれた食事、十分な休養・睡眠が大切です。しかしながら、基本的生活習慣が乱れている実態が散見されることから、各学校では、生活リズムチェック等の取組により、生活習慣の課題の発見に努めています。
 本市においては、スマートフォン等の長時間使用が課題となっており、道教委及びPTAと連携しながら、家庭における生活習慣の改善に向けた働きかけを継続してまいります。

学びを支える教育環境の充実

 1点目は、授業以外の学習機会の設定と学習意欲の向上についてです。

 本市では、漢字検定、英語検定、公設塾への参加を奨励し、学習意欲の向上を図っています。
 5年目を迎える漢字検定、英語検定に対する費用補助については、この検定への挑戦を契機に次の級へ挑戦する姿が増える等、一定の成果が認められることから、この支援を継続してまいります。
 また、同じく5年目を迎える公設塾ですが、自ら学ぶ中学生を支援するため、開設教科の拡充を図り、家庭での学習に対する関心が高まるように工夫してまいります。

 次に、小中連携による9年間の効果的指導についてです。

 本市では、小学校の統合を機に、授業スタイルや学習規律の統一が前進してまいりましたが、9年間の効果的指導に繋げるためには、十分ではありません。
 小・中学校の9年間を見通した教育活動を充実させるためには、それぞれの学校における教育活動の成果の積み重ねを確実に進め、校内論議をもう一歩活性化させる必要があります。
 各学校の学校教育目標で示されているめざす姿の評価を繰り返しながら、学校と連携を深め、道教委の指導主事の派遣を通して、小・中学校の9年間を見通した効果的な教育活動の展開に近づくための指導を進めてまいります。

 次に、いわゆる「生理の貧困」への対応についてです。

 家庭環境や生活困窮等により、生理用品が十分に手に入らない児童・生徒の増加が、コロナ禍の中で社会問題化しています。
 そのため、本市の学校においては、生理用品に困窮することのないよう、学校と連携して環境を整えたいと考えております。
 また、学校での学習内容には、体の発育・発達に関係する学びがあります。保健に関する教科学習を中心に、男女の相互理解を深め、尊重し合う態度を養うよう、学校と連携を深めて参ります。

 次に、校務支援システムの活用による学校の働き方改革の推進についてです。

 本市では、教職員の長時間勤務への改善策の一つとして、「赤平市立学校における業務改善計画」に基づき、令和3年10月より校務支援システムを導入し、令和4年4月からの本格的な稼働を目指してまいりました。
 校務支援システムが、働き方改革に可能な限り早く結びつくよう、学校と連携して、校内で教え合う体制づくり及び外部講師による研修を整え、教員が本来担うべき業務に専念できる環境整備の一つとして、有効活用を進めてまいります。

信頼される学校づくりと地域連携の充実

 1点目は、(新)赤平小学校の開校についてです。

 本市では、これまで統合小学校の開校に向けて、校長会、統合準備委員会と連携しながら、統合に関わる諸課題への対応について協議を重ねてまいりました。
 令和4年4月に開校を迎えますが、学校教育目標及びそのめざす姿について、市民の皆さまへの周知を進め、学校・家庭・地域の連携基盤を整えてまいります。

 次に、コミュニティ・スクールの推進についてです。

 本市のコミュニティ・スクールは4年目を迎え、承認された学校運営の基本方針と関連が深いテーマを基に、学校と地域住民との連携のあり方、地域住民の参加による幅広い学びの場のあり方について、これまで協議してきました。
 本年度は、これまで協議してきた計画を具体化させるため、「学校運営協議会」の中で協議を進めてまいります。

社会教育の推進

ともに学び合い豊かな心を育む社会教育の推進

 1点目は、青少年教育についてです。

 青少年を取り巻く社会・生活環境が大きく変化していることから、地域との連携・協働等による社会全体で青少年が健やかな成長を積み上げていくことができるよう、安全・安心な環境をつくることが重要となっております。
 そのためには、次の時代を担う青少年に様々な体験や交流を通じて創造性や協調性等を身に付け、夢や目標を持って健やかに成長できるよう、市民団体と協力し青少年教育事業の充実を図ってまいります。
 令和4年度も引き続き、集団活動を通じた仲間づくりと青少年リーダー育成等を目的とした「ふるさと少年教室」等の健全育成事業を実施してまいります。

 また、全国的に社会問題化されている青少年の非行、いじめ等につきましても青少年教育の課題となっており、学校や児童福祉関係者及び警察との連携による「赤平市青少年非行防止連絡会議」等で、情報交換と協議をおこなった上で、情報を共有し、児童生徒及び保護者には、引き続き、「校外生活のきまり」で周知するほか、非行等の問題が発生した際には、迅速な対応に努めてまいります。

 次に、公民館活動についてです。

 東公民館及び交流センターみらいにつきましては、各種講座や教室、サークル活動等を通じて、学びあい、教えあい、交流を深める場として、幅広い年齢層の方々に利用されております。
 今後も市民相互の交流や文化活動の充実に繋がるよう利用促進に努め、市民団体並びに関係機関と連携を図りながら、引き続き、生涯学習の推進に努めてまいります。

 次に、図書館と読書活動についてです。

 市民に親しまれる機能的な図書館運営を目指し、令和4年度においても、幼児に絵本を渡す「ブックスタート事業」、除籍本を無償で提供する「古本フェスタ」、文京生活館や小学校へ図書館の蔵書の一部を持ち運ぶ「移動図書館」等、幅広い年齢層に対する事業を継続してまいります。
 今後も市民の知的ニーズに応え、読書習慣の向上や学習活動等に繋がるよう、適切な図書館運営に努めてまいります。

 次に、芸術・文化活動、文化財保護についてです。

 文化協会を中心とした各種サークルや同好会により、毎年、市民総合文化祭をはじめ、発表会や展示会、研修会等、自主的な芸術・文化活動が行われておりますが、令和3年度もコロナ禍により市民総合文化祭の中止等、芸術・文化活動の制限を余儀なくされました。
 芸術・文化活動は、豊かな心を育てる機会となり、コミュニティ形成等にも活かされ、生きがいにも繋がっていることから、引き続き、団体等に対する支援をおこなってまいります。
 文化財保護に関しては、炭鉱遺産ガイダンス施設を中心として立坑櫓等の炭鉱遺産の紹介やイベントの企画等を通して、北海道及び関係市町村・ツアー会社等と引き続き連携し、多くの方に当市の炭鉱遺産を含めた文化財の魅力を発信してまいります。

 次に、体育・スポーツについてです。

 子供から高齢者まで、市民の皆さまが生涯にわたって健康で生き生きと暮らすことができるよう、基礎体力の向上を目的とした体力づくり教室、スポーツの各種大会等の開催を通じて、生涯スポーツの推進に取り組んでまいります。
 具体的には、北翔大学との連携事業として、子供たちの体力向上を目指す「こども体力測定会・走り方教室」、健康増進を図る「市民スマイルウォーキング」、子供たちが元プロ野球選手からの指導を受け、野球の基礎を学び、技術向上を図る「こども野球教室」、健康増進・体力向上を図る「軽スポーツ・ニュースポーツ大会」、子供・大人を対象とした「水泳教室」等、様々なスポーツ教室をおこなってまいります。
 各スポーツ施設については、安全で快適な利用環境を整えるため、施設の適切な維持管理に取り組んでまいります。
 今後も市民の体力の向上及び健康増進等に繋がるよう、北翔大学や体育協会、スポーツ推進委員、各スポーツ団体等と連携してまいります。
 なお、「中学生以下の社会教育・体育施設の利用料無料化」につきましては、引き続き本年度も継続してまいります。

 次に、地域学校協働本部についてです。

 地域学校協働本部には、幅広い層の地域住民や各団体が参画して、緩やかなネットワークを形成することにより、地域ぐるみで子供たちの学びや成長にたずさわる仕組みづくりの一翼を担うことが期待されております。
 この地域学校協働本部を4月に立ち上げ、コミュニティ・スクールとの連携を深めるとともに、地域住民等と学校の連携協力体制の基で進められる地域学校協働活動を推進する体制整備を進めてまいります。

 次に、放課後子供教室についてです。

 「放課後子供教室」につきましては、令和4年度より3校の小学校が統合することに伴い、(新)赤平小学校に放課後における子供たちの安全・安心な居場所を設け、地域住民との関わり合いを通して、子供たちにスポーツ・文化活動等の体験機会の提供をすることにより、心豊かで健やかに育まれる環境の整備に努めてまいります。

むすび

 以上、令和4年度の赤平市教育行政執行方針について申し上げましたが、執行にあたり、教育行政事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価に基づき、学校・家庭・地域・行政の一体となった取組を通じ、より一層開かれた教育行政を目指しながら、効果的に執行してまいりますので、市議会並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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