令和3年度教育行政執行方針(令和3年第1回定例会)

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教育行政執行方針を述べる高橋教育長の写真

はじめに

令和3年赤平市議会第1回定例会の開会にあたり,赤平市教育委員会の所管行政の執行に関する方針について申し上げ,市議会並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
幼稚園及び学校教育においては,改訂された幼稚園教育要領,学習指導要領が相次いで告示され,令和3年度は,中学校学習指導要領が全面実施を迎えます。
それらの学習指導要領等では,これからの社会を生き抜くために求められる資質・能力の育成に向けて,学校と地域社会とが連携・協働してその実現を図ることが提示され,幼稚園及び学校では,それぞれの段階で教育活動が求められる方向に改善するよう努めているところであります。
社会教育においては,第6次赤平市社会教育中期計画を通して,市民一人一人が生涯にわたり,心豊かで生きがいのある生活を送るために必要な学習活動を奨励しているところであります。
令和3年度につきましても,教育行政を計画的に進めたいと考えておりますが,全国的な流行,そして,なかなか収束しない新型コロナウイルス感染症への対策を重視する必要があります。
国から提示されている衛生管理マニュアル「新しい生活様式」に基づき,関係者の協力体制のもと衛生環境を保持するとともに,感染リスクの低減と活動の充実とのバランスに配慮しながら令和3年度の教育行政を進めてまいります。
以下,学校教育,社会教育の順に教育行政を推進する上で,特に重点として設定した取組について申し上げます。

学校教育の推進

将来に生きて働く学びの充実

これからの時代を切り拓いていくために必要な資質・能力を子どもたちに育むため,各学校では,「主体的・対話的で深い学び」の授業の在り方を追究し,授業力の向上を目指しています。
一方,学んだことを活用し,今求められている授業の姿まで高めるためには,家庭学習の役割は非常に重要と考えております。学校での学びの復習が確実に実施されるよう,各学校の実態に応じて設定された家庭学習に関連する到達目標を軸に,家庭学習習慣の改善に向けた動きを一歩一歩進めてまいります。
これらの授業改善及び家庭学習の改善は,学びの充実を支える要となるものであります。各学校の実践の工夫が継続するよう,道教委の指導主事による指導訪問等と連携して,引き続き各学校の研修を支援してまいります。
また,それらの取組がどの程度,効果を上げているかについては,小学校外国語を追加して,標準学力検査により推し測り,その結果の活用も早い段階から開始できるよう,各学校を支援してまいります。
さらに,学びの充実には,学習意欲が欠かせないことから,漢字検定及び英語検定への支援は希望制を中心に据えて拡充するとともに,授業以外の学習機会を増やす公設塾を継続し,やる気のある(自ら学ぶ)子どもたちを支えてまいります。

豊かな心と健やかな体の育成

いじめの未然防止

赤平市いじめ防止基本方針に基づき,望ましい人間関係の維持・発展に関する各学校での授業を充実させ,いじめの未然防止に繋げることがいじめ防止の基本と考えます。
思いやりや規範意識の高揚等に加え,新型コロナウイルス感染症に関連する差別や偏見の防止等を含め,効果的な教育活動を期待しております。各学校及び関係機関と連携を深めて,それらの指導の充実を図ってまいります。

キャリア教育の充実

キャリア教育は,学ぶことと自分自身の将来とのつながりを見通し,自分らしい生き方を実現するための力を育むという,重要な役割を担っています。文部科学省では,新学習指導要領の全面実施に合わせて,小学校入学から高等学校卒業までの期間,キャリア教育で学んだ記録を綴じ込み,自分自身が振り返ることができるファイル(キャリア・パスポート)の取組を全国的に展開しております。教育委員会としても,各学校のそれらの取組が円滑に進むよう支援し,キャリア教育の充実に努めてまいります。

望ましい生活習慣

子どもたちが健やかに成長していくためには,適切な運動,調和のとれた食事,十分な休養・睡眠が大切であります。しかしながら,ゲーム等の影響により,基本的生活習慣が乱れている実態が散見されることから,道教委の指導を踏まえ,各学校では,生活リズムチェック等の取組が継続されております。令和3年度につきましても,道教委及びPTAと連携しながら,家庭における生活習慣の改善に向けた働きかけを継続してまいります。

学びを支える教育環境の充実

授業を支える支援体制

子どもたちが主体的に学ぶためには,実態に応じたきめ細かな支援を行う支援員の配置が大変重要と考えており,令和3年度についても人材確保に努めてまいります。

不登校傾向の児童生徒への対応

不登校傾向を少しでも改善するよう,各学校においては,児童生徒及び保護者への関わりを継続して段階的な解消をめざしており,教育委員会としましても,不登校傾向の早期把握と関係機関との連携を進めているところでありますが,なかなか解決できないのが実態であります。そのため,滝川市適応指導教室の利用継続に加え,本市において,別室登校児童生徒への支援のあり方及びその人材確保に向けて検討してまいりたいと考えております。

小中連携

義務教育9年間の学びの環境は,その方向性をそろえることが重要であると考えております。現在,統合小学校開設に向けたワーキンググループにおいて,学習規律のあるべき姿を検討中でありますが,それらを各小学校で実践に移すとともに,中学校を含めた9年間の学びの環境の連続性が実現するよう,小学校と中学校との相互理解を促進させてまいります。

特別支援教育

本市の小学校においては,特別支援学級に加えて,通級指導教室が設置されており,児童のニーズに応じて効果的な教育活動が展開されております。これらの環境が中学校においても継続することが,連続する特別支援教育の環境としては大切であると考えます。通級指導教室の対象児童生徒数及び国の制度を踏まえながら,中学校の通級指導教室開設に向けて,検討を継続してまいります。

校務支援システム

全国的な傾向として,様々な要因により教職員の長時間勤務が顕在化しております。こうしたことから「赤平市立学校における業務改善計画」に基づき,本来担うべき業務に専念できる環境整備の一環として,統合小学校がスタートする令和4年度から,小・中学校で校務支援システムの本格的な稼働をめざしております。しかしながら,教務処理機能を使いこなすには時間を要することから,令和3年度2学期中での導入が必要不可欠となっております。
校務支援システムの使用方法等の夏期研修会及び十分な試行期間の設定など,令和4年度からの本格的な稼働に備え,学校運営の支援を進めてまいります。

信頼される学校づくりと地域連携の充実

コミュニティ・スクール

赤平市のコミュニティ・スクールは,3年目を迎えます。これまでは,学校運営協議会を要として,学校と地域住民が,学校教育の目指す方向性を共有することに努めてまいりました。令和3年度につきましては,地域住民のできることを資料として整理し,人材バンクとしての整備を進め,学校からの支援要請に応える流れを整えてまいります。

社会教育の推進

ともに学び合い豊かな心を育む社会教育の推進

青少年教育

青少年期は,社会性を培い,豊かな心を育む,大切な時期であり,次代を担う子どもたちが健やかに成長していくためには,学校・家庭・地域との連携が重要であります。
集団活動を通じた仲間づくりと青少年リーダー育成などを目的とした「ふるさと少年教室」などの健全育成事業を実施しておりますが,令和2年度は,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,ほとんどの事業を実施することができませんでした。令和3年度事業の実施につきましては,引き続き児童生徒への安全と健康に配慮しつつ,感染状況等を勘案し,各地区育成会で組織する赤平市青少年育成連絡協議会と協議を行い,取り組んでまいります。
また,全国的に社会問題化されている青少年の非行,いじめなどにつきましても青少年教育の課題となっており,学校や児童福祉関係者及び警察との連携による「赤平市青少年非行防止連絡会議」などで,情報交換,協議を行い,情報を共有してまいります。児童生徒及び保護者には,引き続き「校外生活のきまり」で周知するほか,非行など問題が発生した際には,迅速な対応に努めてまいります。

公民館活動

東公民館及び交流センターみらいにつきましては,各種講座や教室,サークル活動などを通じて,学びあい,教えあい,交流を深める場として,幅広い年齢層の方に利用されております。
コロナ禍の中ではございますが,市民ニーズに沿った事業が継続できるよう,市民団体並びに関係機関などと連携を図るとともに,引き続き生涯学習まちづくり出前講座を行い,生涯学習の推進に努めてまいります。

図書館と読書活動

市民に親しまれる機能的な図書館運営を目指し,令和3年度においても,幼児に絵本を渡す「ブックスタート事業」,除籍本を無償で提供する「古本フェスタ」,文京生活館・平岸コミュニティセンター・各小学校へ図書館の蔵書の一部を持ち運ぶ「移動図書館」など,幅広い年齢層に対する事業を継続してまいります。
今後も市民の知的ニーズに応え,読書習慣の向上や学習活動などに繋がるよう,適切な図書館運営に努めてまいります。

芸術・文化活動,文化財保護

文化協会を中心とした各種サークルや同好会により,毎年,市民総合文化祭をはじめ,発表会や展示会,研修会など,自主的な芸術・文化活動が行われておりますが,令和2年度は,コロナ禍により市民総合文化祭の中止など芸術・文化活動の制限を余儀なくされたところであります。
芸術・文化活動は,豊かな心を醸成する機会となり,コミュニティ形成などにも活かされ,生きがいにも繋がっていることから,引き続き団体等に対する支援を行ってまいります。
文化財保護に関しては,立坑櫓などの炭鉱遺産を紹介する炭鉱遺産ガイダンス施設が開設され,本年2月末時点で,25,000人を超えるご来館を頂き,多くの方に当市の炭鉱遺産の魅力を伝えております。
令和3年度は,炭鉱遺産ガイダンス施設を拠点に,炭鉱遺産に関連した企画展などを開催し,北海道及び関係市町村・ツアー会社などと引き続き連携を行い,炭鉱遺産の魅力を発信してまいります。

体育・スポーツ

令和2年度については,コロナ禍により計画していたほとんどの体育・スポーツ事業について,中止となったところであります。
令和3年度は,北翔大学との連携事業として,子どもたちの体力向上を目指す「こども体力測定会・走り方教室」,健康増進を図る「市民スマイルウォーキング」,子どもたちが元プロ野球選手からの指導を受け,野球の基礎を学び,技術向上を図る「こども野球教室」などの事業の実施を計画しております。
また,各スポーツ施設に関しましては,有効利用に資するよう,引き続き適切な維持管理に努めてまいります。
今後も,市民の体力の向上及び健康増進などに繋がるよう,北翔大学や体育協会,スポーツ推進委員,各スポーツ団体などと連携してまいります。
なお,平成24年度から「中学生以下の社会教育・体育施設の利用料無料化」を実施しておりますが,本年度も継続してまいります。

むすび

以上,令和3年度の赤平市教育行政執行方針について申し上げましたが,執行にあたり,教育行政事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価に基づき,学校・家庭・地域・行政の一体となった取組を通じ,より一層開かれた教育行政を目指しながら,効果的に執行してまいりますので,市議会並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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