令和3年度市政執行方針(令和3年第1回定例会)

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市政執行方針を述べる畠山市長の写真

はじめに

令和3年赤平市議会第1回定例会の開会にあたり,市政運営と当面する諸課題を中心に所信を申し述べ,市民の皆さま並びに市議会議員皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まず初めに,新型コロナウイルス感染症につきましては,日本国内で初めて感染者が確認されてから1年を経過いたしましたが,未だに収束の兆しが見えない状況にあります。
北海道における直近の状況では、全体の新規感染者数は減少傾向にありますが、クラスターの発生・拡大など依然として厳しい状況が続いております。
本市といたしましても,未知の新型ウイルスであるため,手探りの対応に追われながらも「3密」の回避やソーシャルディスタンスの確保,換気,手洗いやマスクの着用などの感染拡大防止に努めてまいりました。
しかし,年間を通して多くの地域行事やさまざまなイベントが中止や延期を余儀なくされたところであります。
このような状況の中,特別定額給付金の速やかな支給や幼稚園・保育所・学校など市内各公共施設における感染防止対策,飲食店や中小企業に対する経済対策,生活支援,教育環境整備,医療体制の確保に努めたところであります。
新型コロナウイルス感染症対策としましては,今定例会補正予算による飲食店等に対する事業の継続支援や医療機関等における感染拡大防止対策に努めるとともに,国における第3次の地方創生臨時交付金も活用しながら,市民の暮らしと生活を守るため,切れ目のない支援に努めてまいります。
今後,新型コロナウイルスワクチン接種が始まりますが,相談や接種実施の体制を確保し円滑な実施に努めてまいります。 
昨年は,赤平市の今後10年間のまちづくりの指針となります「第6次赤平市総合計画」,また,人口減少対策における重点施策として位置付けた「第2期赤平市しごと・ひと・まち創生総合戦略」がスタートいたしました。
赤平市の将来像を「ひと・自然・産業が輝く 協働と共創のまち 赤平」としております。
市民・事業者・行政がともに協力し合いながら地域の課題解決に向けた活動を行う「協働」をこれまで以上に推進してまいります。
そして,それぞれが連携しながら本市の将来を共同で創り上げる「共創」により,本市の大切な資源である「ひと・自然・産業」が輝くまちづくりを進めてまいります。

主な施策

令和3年度における特に重点とした施策につきまして,「第6次赤平市総合計画」の基本目標に沿って述べさせていただきます。

健やかな暮らしをともに支え合うまち

健康づくりの推進

『健康づくりの推進』としましては,市民一人ひとりが健康に関心を持ち,健康づくりに取り組んでいただけるよう,「第2次赤平市健康増進計画」に基づき,運動や栄養,喫煙対策等に取り組んでまいります。
生活習慣病予防対策としましては,住民の健康づくりと生活習慣病の予防,早期発見,生活習慣の改善を図れるよう保健指導,健康相談,啓発活動に努めるとともに,十分な感染症対策を講じ,健康診査やがん検診を実施してまいります。
感染症対策につきましては,定期予防接種でありますヒブ,小児用肺炎球菌,高齢者等インフルエンザワクチンなどの接種費用の助成を引き続き実施してまいります。
また,小児のインフルエンザ予防接種につきましては、接種費用の助成対象を高校生まで拡充してまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては,引き続き情報の提供に努めるとともに,赤平市医師会と連携し,円滑なワクチン接種の実施に向けて取り組んでまいります。

地域医療の充実

『地域医療の充実』としましては,引き続き市立病院の医師・看護師・医療技術者等の確保を図り,医療体制の充実に努めてまいります。
高度医療やより専門的な分野におきましては,近隣の医療機関との連携・協力体制を構築し,救急医療を含め,安心して医療を受けられる体制を維持してまいります。
また、新型コロナウイルスワクチンの接種体制につきましては、地元医師会にご協力をいただき、接種医療機関としても万全な体制を整えてまいります。

地域福祉の充実

『地域福祉の充実』としましては,冬の除雪対策といたしまして,高齢者世帯,障がい者世帯,ひとり親世帯で自力での除雪が困難であり,支援してくれる親族もいない世帯について,除雪に対する支援として高齢者世帯等除雪費助成事業を引き続き実施してまいります。

出産・子育て支援の充実

『出産・子育て支援の充実』としましては,若者の定住促進,将来のまちを築き上げるため,若者が安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めることが重要であります。
子育て世帯への支援の拡充に努めるとともに,妊娠期から子育て期のそれぞれの段階において,必要な支援が切れ目なく届くよう実施してまいります。
子育て世帯への経済的支援,産後うつの予防を図るため,出産後間もない時期における母親の「こころ」と「からだ」の状態を確認するために,産後2週目4週目に実施される産婦健康診査の費用について,新たに助成してまいります。
子ども医療費無料化につきましては,18歳到達後最初の3月末までの方を対象に,子育て世帯の経済的負担軽減と,全ての子どもが安心して医療を受けられるよう引き続き実施してまいります。
高校通学費等助成につきましては,保護者の経済的負担の軽減及び当該生徒の健全な育成を図ることを目的として,高等学校等に在学している生徒の通学費等の一部を助成するために高校生等1人につき,月額7,000円を交付する「高等学校等通学費等支援事業」を継続してまいります。
ひとり親世帯への支援につきましては,母子・父子自立支援員による相談業務等を通じ,各種制度の説明や家庭の状況に応じた助言を行い,仕事と子育てを両立しながら安定した生活を送れるように支援を継続してまいります。
子どもが小学校,中学校,高等学校等へ入学する際に入学支度金の助成や民間賃貸住宅に入居している場合には家賃の一部を「まごころ商品券」で交付しており,ひとり親の経済的負担軽減を引き続き実施してまいります。
幼児教育・保育につきましては,令和元年10月より3歳から5歳までの全児童及び0歳から2歳までの住民税非課税世帯において保育料の無償化を実施し,さらに市の独自減免により,対象者については,減免申請をすることによる副食費の無償化も継続してまいります。
学童保育事業の整備につきましては,令和4年4月に開校する統合小学校において,すべての子どもが多様な体験ができるよう赤平市独自の放課後子ども教室を開設することとしており,その中において留守家庭の児童を預かる学童保育事業の整備を行ってまいります。
子育て支援住宅の充実につきましては,学校区を中心とした地域で「子育てにやさしい」をコンセプトに,吉野第一団地2号棟1棟12戸のうち,子育て世帯向け住戸4戸を令和4年度の完成を目指し整備してまいります。

高齢者支援の充実

『高齢者支援の充実』としましては,介護予防の推進として,高齢者ができるかぎり自立した自分らしい生活を送ることができるよう,引き続き運動教室やゆる元指導者育成等を実施し,介護予防や閉じこもり予防,認知症予防に努めてまいります。
認知症対策の推進につきましては,コロナ禍の中,人との交流が少なくなり,地域の見守りが重要となります。
生活支援の担い手であるボランティア「エリアサポーター」の養成講座を引き続き実施し,生活支援コーディネーターを中心に活動を支援してまいります。
認知症予防の普及,啓発の推進としましては,認知症地域支援推進員を中心に認知症サポーター養成講座及び認知症サポーターふりかえり講座の開催,認知症ケアパスの活用を進めてまいります。

障がい者支援の充実

『障がい者支援の充実』としましては,「第6期障がい福祉計画」及び「第2期障がい児福祉計画」に基づき,市内のすべての障がいのある方が,地域で安心して生活できるまちづくりに努めてまいります。
手話の普及啓発につきましては,手話奉仕員の研修会や奉仕員の派遣事業等により,手話を必要とする市民が安心して生活できるよう,手話の使いやすい環境を整えてまいります。
また,専用タブレットの持ち運びにより市役所の各窓口において,相談や手続き等を行える遠隔手話サービスによる意思疎通支援を引き続き実施してまいります。

安全・安心で快適に暮らせるまち

移住・定住の促進

『移住・定住の促進』としましては,公的住宅の適正管理として,「住生活基本計画」及び「公営住宅等長寿命化計画」を基本に,計画的な建て替えや改善・修繕,除却事業,移転集約事業を引き続き実施してまいります。
また,今後の入居者減を見据えた移転集約の再検討,建設・除却計画内容の見直しによる公営住宅等長寿命化計画の改定を行い,適正な管理戸数の確保に努めてまいります。
吉野団地の建替事業につきましては,2号棟の造成整備等を行い,1棟12戸の建設を令和4年度の完成を目指し整備してまいります。
民間住宅につきましては,住宅の選択肢拡大を図り,若年世帯等の移住・定住を促進するため,「民間賃貸住宅建設助成事業」「民間賃貸住宅リフォーム助成事業」を継続してまいります。
また,「あんしん住宅助成事業」につきましては,安心して住み続けられる住まいづくりと,住環境の向上を図るため,住宅改修費用等の助成額を増額してまいります。
空き家等の有効活用を進めるとともに,移住・定住の促進,住宅ストックの活用を図るため,「空き家バンク事業」(あかびら住みかエール)を推進してまいります。
移住者への支援の促進といたしまして,「民間賃貸住宅家賃助成事業」,「移住定住促進就職祝金」,「人材育成・定住促進奨学金制度」による奨学金の返還金免除を継続し,市内への移住・定住と雇用の確保を図ってまいります。

公園・緑地の適正管理

『公園・緑地の適正管理』としましては,緑豊かな景観を保ち市民に親しまれる都市施設として「公園施設長寿命化計画」を基本に,令和3年度は,翠光苑,茂尻本町公園の遊具を改修してまいります。

上水道・下水道の保全

『上水道・下水道の保全』としましては,上水道事業として,経営環境が厳しくなる中,経営基盤の強化及び財政マネジメントに取り組み,持続可能な運営を目指します。
また,老朽施設対策として,配水管路及び浄水施設の更新を進めてまいります。
下水道事業につきましては,浸水被害の低減を図るため引き続き雨水管渠を整備するとともに,効率的な汚水処理ができるよう,事業範囲の適正化に努め計画区域の見直しを図ってまいります。
また,経営状況を把握し,財政の状態を正確に評価・判断するため,地方公営企業法適用に向けた準備を継続してまいります。

道路・公共交通の整備

『道路・公共交通の整備』としましては,道路や橋梁の計画的な改修,維持補修を行い,生活環境の向上及び交通安全対策に努めてまいります。
また,橋梁につきましては,維持管理や改修工事を計画的,効率的に推進するため,5年に1度の管理橋梁44橋の橋梁点検を実施し,「橋梁長寿命化修繕計画」の見直しを行ってまいります。
公共交通の確保につきましては,昨年10月に設立いたしました赤平市地域公共交通活性化協議会の中で,本市の地域公共交通のあり方等について検討を重ね,令和3年度中に「赤平市地域公共交通計画」を策定してまいります。
鉄路の維持・存続につきましては,根室本線対策協議会において,北海道,構成市町村,JR北海道と連携し,引き続き協議,検討してまいります。
あわせて,市民の通学・通院や買い物等,重要な交通機関であります中央バスに対しましても,沿線市町と連携を図り,協力・支援のあり方について検討してまいります
除排雪等の充実につきましては,局所的な暴風雪や大雪など不安定な気象状況ではありますが,冬期間の市民生活の安定と産業経済活動の円滑化を図るため,計画的な除排雪対策に努めるとともに,除排雪作業や道路交通に支障がないよう,除雪マナーの啓発に努めてまいります。
また,私有地ではありますが,生活道路として利用されており,冬期間においても通行の確保が必要な私道について,一定の基準により,引き続き,除排雪を行ってまいります。

防災体制の充実

『防災体制の充実』としましては,令和2年度はコロナ禍の中,防災訓練等事業が中止となりましたが,広報等により地域防災に係る啓発活動を行ってきたところであります。
令和3年度につきましては,土砂災害警戒区域など危険箇所の周知啓発や中空知広域市町村圏組合防災部会による合同研修への職員の参加,出前講座による地域への啓発,赤平市総合防災訓練などを通じ,地域の防災力や意識の向上を図ってまいります。
今後においても必要となる備蓄資材を随時見直し,災害時に必要となる資機材や食糧等の備蓄及び,配置を計画的に進めてまいります。
また,災害時における避難方法や避難所運営について,コロナ禍における感染症対策に配慮した実施体制の構築を図ってまいります。
災害時での地域への情報伝達手段として整備いたしました,赤平市防災行政無線が令和3年度から運用いたします。
今後,自然災害等の緊急時における迅速な地域への情報伝達の向上に向け,国のJアラート訓練や赤平市総合防災訓練を通じて,周知を図ってまいります。

情報通信環境の充実

『情報通信環境の充実』につきましては,急速に発展する情報通信技術に対応するため,情報施設基盤である光ファイバーを整備してまいります。
市内における情報格差を解消し,子どもたちの教育環境の充実や基幹産業でもある農業の振興,観光施設での活用等,高速通信の充実に努めてまいります。

活力に満ちた魅力あふれるまち 

工業の振興

『工業の振興』としましては,新型コロナウイルス感染症拡大により,企業では売上の減少や生産調整などに対応され,赤平市の産業とまちの経済に大きな影響を受けております。
特に外出自粛による観光関連産業や在宅時間の増加など消費の低迷による製造業ヘの影響が深刻化しており,長期化するコロナ禍での国や道の支援策も踏まえ,今後の工業振興への対策を進めてまいります。
雇用の確保対策につきましては,企業情報WEBサイトの充実を図り,新規学卒者への合同企業説明会をオンライン開催にするなどコロナ禍に対応した求人・雇用情報の提供を進めてまいります。
安定的な生産活動への支援につきましては,設備投資や雇用の拡大を図る企業に企業振興促進条例に基づく助成や中小企業融資制度を継続し,生産基盤の充実と経営体制の強化に向けて支援を行ってまいります。
また,コロナ禍の中でも新規事業に取り組む,意欲的で前向きな中小企業をサポートするため,新製品の開発や改良などを支援する「チャレンジ・アレンジ産業振興奨励金」につきましても継続してまいります。

商業の振興

『商業の振興』としましては,新型コロナウイルス感染症拡大により,各イベントの中止や総会,会合の相次ぐ中止など商店街の現状は非常に厳しい状況にあります。
特に,飲食業やそれに関連する業種に大きな影響があり,これまで事業継続の支援に取り組んでまいりましたが,今後の国や道の動向も踏まえ,支援策を検討してまいります。
コロナ禍でも力強く,新たに事業に取り組む方に対し,起業支援補助金や店舗整備魅力向上事業助成補助金などの支援を継続し,魅力ある商店街づくりを推進してまいります。
今後も引き続き,市内商店の存続と地域商業の活性化を図るため,商工会議所や商店街振興対策協議会と連携し,感染症対策とともに新たな生活様式に対応した支援策の検討や,商業の振興に向けた取り組みを進め,活力あるまちづくりを推進してまいります。
また,消費喚起策の一つとして,コロナ対策を取りながらスーパープレミアム付商品券を継続してまいります。

農林業の振興

『農林業の振興』としましては,農業生産基盤の充実として,本市の農業は高齢化が進み,今後の農地の遊休地化が懸念されているところであります。
「中山間地域等直接支払交付金」や「多面的機能支払事業交付金」を活用し,農業や集落の維持を図り,地域共同活動等によって多面的機能の維持,発揮また,事業による地域ぐるみの活動で農地の役割を守るため支援をしてまいります。
担い手である若手農業者及び後継者の育成を図るため,農業経営や農業技術を取得するための「農業後継者・担い手サポート事業」を継続してまいります。
食ブランドの充実につきましては,本市の主力である農産物は,お米であり「売れる米づくり」を掲げ,環境に配慮した農薬の低減や土壌診断による肥料コストの低減を行い,安心・安全な高品質米を生産し,更なる消費拡大を目指し,地元農産物の素材を活かした食ブランドを発信してまいります。
計画的な森林整備の促進につきましては,「赤平市森林整備計画」に基づき計画を進めており,森林整備の推進,人材育成・担い手確保及び木材利用を促進するため,森林環境譲与税を活用し,木育推進事業,木製遊具の整備,私有林の整備に対する補助を実施してまいります。

観光の振興

『観光の振興』としましては,日本一のズリ山階段やエルム高原などの観光施設を,市民をはじめ市外の方々に安心してご利用いただくため,感染症防止対策の徹底をはかり,また,近年のアウトドアブームとさらにコロナ禍で増えているキャンパーにも楽しんでいただけるよう,エルム高原家族旅行村やオートキャンプ場,コテージ「虹の山荘」などの魅力をPRしてまいります。
また,「エルム高原温泉ゆったり」では市民の健康増進はもとより,感染症防止対策を徹底し,安心して快適にご利用いただけるよう努めてまいります。
魅力あるイベントの推進につきましては,昨年は新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を受け,イベントはすべて中止となりました。
赤平市のみならず全国的にも今後のイベントにつきましては,新たなスタイルを検討しなければ実施が困難な状況となってきております。
今年は,市内最大のイベントであります「あかびら火まつり」が節目である50周年を迎えることとなり,改めて,歴史の積み重ねとこれまで支えていただいた関係者のご尽力に深く感謝と敬意を表するところであります。
50周年の節目を契機に,これまで培った伝統を受け継ぎながら,感染症防止対策を徹底し,新たな発想・新たなスタイルでのイベントの実施と,それと同時に,火まつりの原点である市民が楽しめるイベントとして,これからも継続的に実施できるよう支援してまいります。
広域的観光ルートの推進につきましては,日本遺産に認定されました「本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命『炭鉄港』~」において,「炭鉄港推進協議会」を中心に連携し,地域資源の有効活用を図り,引き続き広域的観光ルートの創出に取り組んでまいります。
観光PR活動の充実につきましては,赤平市特産品推進協議会において,赤平市の農産物や食料品,生産品などの地場商品流通ルートの発掘やPRを継続してまいります。
また,「情報発信基地AKABIRAベース」もオープンから7年目を迎え,年々来場者が増えており,夏から秋まで開催しております「とれたて朝市」など野菜販売も定着してきております。
特にお盆時期の店頭販売は新鮮な野菜やとうもろこし,赤平産の盆花,ホットレッグなど多くの方にご好評をいただいているところであります。
今後も地元の特産品を,AKABIRAベースや道内のイベントでのPR,販路拡大等に努めてまいります。

ともに学び合い豊かな心を育むまち

学校教育の充実

『学校教育の充実』としましては,確かな学力の育成として,市内3児童館における小学生を対象とした「子ども塾」,交流センターみらいにおける中学生を対象とした「公設学習塾」を継続し,自ら学ぶ子どもたちを支えてまいります。
また,タブレット端末などICT機器の整備を進め,その有効活用を通して,学習意欲の向上と授業の充実を図ってまいります。
教育環境の整備につきましては,小・中学校適正配置計画に基づく令和4年度の統合小学校開校に向け,2か年事業の建設工事を継続するとともに,グラウンド整備・駐車場工事などを実施してまいります。

生涯学習の推進

『生涯学習の推進』としましては,赤平市社会教育目標である「ゆとりある人生を求め,生涯にわたり楽しく学び,みんなで創るわたくしたちのまち」を目指し,引き続き,「学ぶ」,「みがく」,「鍛える」,「触れ合う」,「つなぐ」の5つの基本目標に沿った社会教育施策に取り組んでまいります。

芸術・歴史・文化の推進

『芸術・歴史・文化の推進』としましては,令和2年度は,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設は,一時,閉館を余儀なくされ,入館者数も減少した中,新聞・テレビなどのメディアに取り上げていただいいたこともあり,昨年7月の月間入館者数は,開館以来最高の1,760人となったところです。
今後とも,石炭産業によって栄えた本市の歴史を伝えるとともに,市内外から好評を得ているガイド付き見学を核に,郷土への誇りや愛着を育むため,引き続き,市内小中学生の授業での見学などを奨励し,歴史や文化に親しむ機会の充実に努め,また,市外小中学校への施設見学の促進を図り,利用者増に努めてまいります。

ふれあいと交流で創る協働のまち

市民参画の推進

『市民参画の推進』としましては,市民の主体的活動を育み,自主的に行う公益性のあるまちづくり活動や,人材育成の促進を図り地域活性化のための活動を行う団体を支援する「まちづくり活動推進事業補助金」,「まちづくり・人づくり事業補助金」を継続してまいります。

広報・広聴の推進

『広報・広聴の推進』としましては,市民とともに協働のまちづくりを進めていくためには,より多くの市民の声を聞くことは必要不可欠であり,赤平版世論調査となる市民アンケートを継続して実施してまいります。
その中で出た意見や要望を的確に把握し,広報あかびらや市ホームページ等にて周知することで,情報の共有化を図ってまいります。

健全な行財政の運営

『健全な行財政の運営』としましては,市民サービス向上を図るため,事務作業効率化を目指し,定例的な業務を自動化できるRPAの実証実験を行ったところであります。
今後につきましては,RPAの効果的な導入に向けて,引き続き,調査・研究を進めてまいります。
公共施設等の総合的な管理の推進につきましては,令和2年度中に策定いたします「個別施設計画」並びに,それらを反映,見直しを行う「赤平市公共施設等総合管理計画」に基づき,各公共施設の管理・運営に努めてまいります。
また,施設の統廃合,複合化,集約化等に向け,住民ニーズに合った公共施設の適正配置の検討を進めてまいります。
赤平市ふるさとガンバレ応援寄附金につきましては,魅力的な返礼品を揃え令和3年1月末現在において,約3万件,7億2千万円ものご寄附をいただき,昨年と比較し2割程度の増額となっております。
令和3年度におきましても,事業者のご協力をいただきながら,返礼品による地元特産品の消費拡大と市内産業の活性化を促進するとともに,本市のまちづくりへの貴重な財源として有効な活用を図ってまいります。 

むすび

以上,今後の私の所信と令和3年度における市政執行について申し上げましたが,世界を覆うコロナ禍は,感染防止と経済という極めて難しい問題を人類に突き付けています。
しわ寄せが集まりがちな社会的弱者を支える手立てをどうするのか,対策に取り組む財政支出が将来世代の負担となる現実をどう考えるべきか,限られた時間の中で,少数意見をも重視する議論によって合意を探り,場合によっては柔軟に修正する。そのためには対立する意見が交わることのできる民主的な対話の場が重要であります。
中国の兵法書である孫子の中に「智者の慮は必ず利害に雑う」という一節がありますが,これは,「智者は,ものごとのプラス面だけ考えず,その半面にマイナスもあることを考慮に入れる。また,マイナス面だけを考えず,その半面にプラスもあることを考慮に入れる。」という意味であります。
そして,このあとに次のように続いています。「利に雑えて務むれば信ずべし。害に雑えて患うれば解くべし。」これは,「悪いことがおきた場合でも,プラス面を見出して努力していけば,積極性が出てくる。また,うまくいっている場合でも,マイナス面に配慮しておくことで災難を予防できる。」という意味であります。
「陰と陽」や「天と地」など,どちらか一つだけでは成り立たず,対立しながらもかかわりあい,からみあっています。このような中国の伝統的な二面的考え方は,長い歴史から生まれた知恵であると考えられます。
私も二面的思考法を心に留め,市民の命と生活を守り,弱者や少数者に優しい社会の実現に向け,全力を挙げてこの難局に立ち向かってまいります。
以上,所信の一端を申し述べましたが,市議会議員各位,並びに市民皆さまの一層のご理解とご協力をお願い申し上げ,令和3年度市政執行方針といたします。

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