【感染症情報】インフルエンザ等(新型コロナ以外)の感染症について

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感染症情報

令和5年第9週(2月27日から3月5日)定点把握感染症では

-インフルエンザ-

1定点当たり報告数が、1.00以上の地域は下記のとおりです。
(1.00~:流行入り、10.00~:注意報、30.00~:警報)
 全国:10.17,北海道全体:10.16,滝川保健所:30.00↑(警報発令中)
 小樽市保健所:30.80,八雲保健所:26.33,帯広保健所:22.33,江別保健所:21.88,岩見沢保健所:16.75,札幌市保健所:16.09,千歳保健所:9.63,岩内保健所:9.00,深川保健所:8.33,旭川市保健所:6.62,渡島保健所:5.57,俱知安保健所:4.50,苫小牧保健所:4.38,北見保健所:4.14,名寄保健所:2.80,市立函館保健所:2.80,富良野保健所:2.33,室蘭保健所:2.25,釧路保健所:2.09,留萌保健所:2.00,江差保健所:1.00

 

※参考(令和元年(2019)第9週-インフルエンザ-)

 全国:5.92,北海道全体:8.32,滝川保健所:5.71

※参考(令和2年(2020)第9週-インフルエンザ-)

 全国:4.77,北海道全体:13.81,滝川保健所:16.33


-RSウイルス感染症-

滝川保健所管内0.00↓

・江別保健所管内で1定点当たり報告数が7.00と高いレベルが続いています。
・室蘭保健所管内で1定点当たり報告数が6.80に増加しました。
・岩見沢保健所管内で1定点当たり報告数が6.20と高いレベルが続いています。
・小樽市保健所管内で1定点当たり報告数が5.33と高いレベルが続いています。

学校保健情報 (インフルエンザ様疾患による休校等の措置状況)

札幌市、岩見沢、釧路、江別、室蘭、小樽市、千歳、帯広、滝川、苫小牧、八雲、北見の12保健所管内から学級閉鎖等の報告がありました。

感染症を拡大させないために

  • 人込みは避けよう!!
  • 手を洗おう!!
  • うがいをしよう!!
  • 咳エチケットしよう!!

感染症にかかったら、学校、職場は無理せず休み、他の人にうつさないよう注意しましょう。

インフルエンザとは

インフルエンザはインフルエンザウイルスによりおこる急性の呼吸器感染症です。

1日から3日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38度以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快していきます。いわゆる「かぜ」に比べて全身症状が強いのが特徴です。
発病後2日以内に抗ウイルス剤を服用することで症状を軽くし、罹病期間の短縮も期待できます。

予防としては、流行期に人込みを避けること、外出後のうがいや手洗いを励行することなどが挙げられます。インフルエンザワクチンは、接種をすると、接種しなかった場合に比べて、死亡の危険を5分の1に、入院の危険を約3分の1から2分の1にまで減少させることが期待できます(発症予防効果は少ない)。

感染症全般に言えることですが、感染症を完全に予防をすることは大変難しいです。バランスの良い食事、十分な休養、適度な運動で感染しても負けない体力を日ごろからつけていることが大切です。特に呼吸器系の感染症は、一刻も早く禁煙することが重症化予防の第一歩です。

インフルエンザは熱が下がっても、他の人にうつす可能性があります。
熱が下がってから、まる2日間平熱が続く状態を確認してから、学校、職場に行くようにしましょう。
(抗ウイルス剤により、以前より早く解熱することがありますが、発症後5日間はウイルスを排出していることが確認されています。登園、登校、出勤等の判断は医師の指示に従いましょう。)

小児・高齢者は特に注意が必要です。

小児の場合、一度受診をしたとしても、「意識が変」「けいれんを繰り返す」「意味不明な言動をする」など脳症を疑う場合は、すぐに受診(休日夜間いつでも)しましょう。

  • 解熱剤によっては脳症の予後を悪化させるものがあります。
  • 解熱剤は小児科医が処方したものを使いましょう。
  • 小児に大人の解熱剤を使うことは絶対止めましょう。

小児や高齢者は症状が急激に変化することがあります。
ご家族のかたは目を離さないように注意して下さい。

インフルエンザQ&A(厚生労働省ホームページ)

インフルエンザによる異常行動について

(厚生労働省インフルエンザQ&Aから抜粋)

質問 抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、転落死を含む異常行動が報告されていると聞きましたが、薬が原因なのでしょうか?

回答

抗インフルエンザウイルス薬の服用後に異常行動(例:急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロするなど)が報告されています。また、これらの異常行動の結果、極めてまれですが、転落等による死亡事例も報告されています。

抗インフルエンザウイルス薬の服用と異常行動との因果関係は不明ですが、これまでの調査結果などからは、
 ・ インフルエンザにかかった時には、抗インフルエンザウイルス薬を服用していない場合でも、同様の異常行動が現れること、
 ・ 服用した抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく、異常行動が現れること、が報告されています。

以上のことから、インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類にかかわらず、異常行動の出現に対して注意が必要です。

抗インフルエンザウイルス薬の服用後に異常行動(例:急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロするなど)が報告されています。また、これらの異常行動の結果、極めてまれですが、転落等による死亡事例も報告されています。

質問 異常行動による転落等の事故を予防するため、どのようなことに注意が必要でしょうか?

回答

小児・未成年者がインフルエンザにかかり、自宅で療養する場合は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、インフルエンザと診断され治療が開始された後、少なくとも2日間は、保護者等は小児・未成年者を一人にしないことを原則として下さい。

また、これに加え、異常行動が発生した場合でも、小児・未成年者が容易に住居外に飛び出ないための対策として、例えば、以下のような対策が考えられます。

  1. 高層階の住居の場合
    • 玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う (内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む。)
    • ベランダに面していない部屋で寝かせる
    • 窓に格子のある部屋で寝かせる (窓に格子がある部屋がある場合)
  2. 一戸建ての場合
    • 「1 高層階の住居の場合」の内容に加え、できる限り1階で寝かせる

異常行動の例

  • 突然立ち上がって部屋から出ようとする
  • 興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う
  • 興奮して窓を開けてベランダに出ようとする
  • 自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない
  • 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
  • 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
  • 突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶レン菌感染症)は、A群溶血性レンサ球菌により起こる、上気道感染症(扁桃腺炎、咽頭炎)です。

主に咽頭痛(扁桃腺が発赤・腫脹する)、発熱(高熱や、微熱の持続)、全身倦怠感、頚部リンパ節腫脹、発疹(猩紅熱)、苺舌などが見られます。
早期に受診し抗生剤を服用すると、感染力は比較的早く低下するといわれています。
またきめられた期間抗生剤を飲み続けることで、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を予防しますので、症状が落ちついたからといって、抗生剤を止めず、医師の指示通り飲み切りましょう。

咽頭結膜熱とは

咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症です。

プールを介して感染する場合は、ウイルスが含まれた水が結膜に直接侵入して感染し、集団での発生が見られることからプール熱とも言われます。

患者の使用したタオルの共用や手指を介した接触感染、飛沫感染でも発症します。
発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭痛、結膜の充血、眼の痛みや涙が流れる、光がまぶしく感じる、眼脂(目やに)等の症状が3日から5日続きます。
これらの眼の症状は一般的に、片眼から始まり、その後もう一方の眼にも出現します。

年齢別には5歳以下に多くみられます。
季節によらず、年間を通じて発生しますが、6月頃から徐々に増えはじめ7月から8月にピークになります。
学校保健安全法施行規則では、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止と定められています。

RSウイルス感染症とは

RSウイルス感染症はRSウイルスによる乳幼児の代表的な呼吸器感染症です。

毎年、冬季に流行し、乳児の半数以上が1歳までに、ほぼ100%が2歳までに感染し、その後も一生、再感染を繰り返します。
感染後4日から5日の潜伏期ののち、鼻汁、咳、発熱などの上気道症状が現れます。

3割程度の人はこのあと炎症が下気道まで波及して、気管支炎や細気管支炎を発症し、咳の増強、呼気性の喘鳴(ぜいぜいする)、多呼吸などが現れてきます。

すべての患者さんの1%から3%が重症化し、入院治療を受けます。
心肺に基礎疾患がある小児は重症化しやすいとされます。
通常は数日から1週間で軽快します。

新生児も感染して発症し、がんこな無呼吸を起こすことがあるので注意が必要です。
また、細気管支炎にかかったあとは、長期にわたって喘鳴を繰り返しやすいといわれています。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマによる肺炎です。

感染様式は感染患者からの飛沫感染と接触感染によりますが、濃厚接触が必要と考えられており、地域での感染拡大の速度は遅いとされます。

感染の拡大は通常閉鎖集団などではみられますが、学校などでの短時間での暴露による感染拡大の可能性は高くなく、友人間での濃厚接触によるものが重要とされています。

潜伏期は通常2週間から3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛など、咳は初発症状出現後3日から5日から始まることが多く、当初は乾性の咳で、経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も長く続きます(3週間から4週間)。

特に年長児や青年では、後期には湿性の咳となることが多く、鼻炎症状は幼児ではより頻繁に見られます。嗄声、耳痛、咽頭痛、消化器症状、そして胸痛は約25%で見られ、また、皮疹は6%から17%です。喘息様気管支炎を呈することは比較的多く、急性期には40%で喘鳴が認められ、また、3年後に肺機能を評価したところ、対照に比して有意に低下していたという報告もあります。重症肺炎となることもあり、胸水貯留は珍しいものではないといわれます。

他に合併症としては、中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、膵炎、溶血性貧血、心筋炎、関節炎、ギラン・バレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など多彩なものが含まれます。

感染性胃腸炎

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手洗の徹底と、咳エチケットの徹底で防ごう感染症

「手洗い」「うがい」「咳エチケット」はすべての感染症対策で有効です。対策の徹底をお願いします。

帰宅時はもちろん外出先でもこまめに手洗をしましょう。

マスクも効果的です。

様々な感染症のまん延を防ぐために以下のことに注意しましょう。

  1. 手洗い・うがいを徹底しましょう。
  2. 咳やくしゃみなどがある時は、マスクを着用し他の人にうつさないようにしましょう。
  3. 不必要な外出は避け、人込みを避けましょう。
  4. 栄養・睡眠を十分とりましょう。
  5. 室内の湿度・温度を適切に保ちましょう。
  6. タオルやハンカチは個人専用にしましょう。

定点あたりのインフルエンザ患者数推移

定点当たり患者数とは

対象となる感染症(ここではインフルエンザ)について、北海道が指定した定点医療機関からの患者の報告数を定点医療機関の数で割ったもの、1定点医療機関あたりの平均患者報告数のこと。

定点あたりのインフルエンザ患者数推移一覧表

週数 期間 滝川保健所管内定点 患者数増減 レベル 北海道定点 全国定点
40週 令和4年10月3日から10月9日 0.00 患者報告なし なし 0.00 0.01
41週 10月10日から10月16日 0.00 患者報告なし なし 0.00 0.02
42週 10月17日から10月23日 0.00 患者報告なし なし 0.02 0.02
43週 10月24日から10月30日 0.00 患者報告なし なし 0.01 0.03
44週 10月31日から11月6日 0.00 患者報告なし なし 0.00 0.06
45週 11月7日から11月13日 0.00 患者報告なし なし 0.01 0.08
46週 11月14日から11月20日 0.00 患者報告なし なし 0.01 0.11
47週 11月21日から11月27日 0.00 患者報告なし なし 0.03 0.11
48週

11月28日から12月4日

0.00 患者報告なし なし 0.02 0.13
49週 12月5日から12月11日 0.00 患者報告なし なし 0.11 0.25
50週 12月12日から12月18日 0.00 患者報告なし なし 0.46 0.53
51週 12月19日から12月25日 0.00 患者報告なし なし 1.76 1.24
52週 12月26日から1月1日 2.17 増加 流行期 2.76 2.05
1週 1月2日から1月8日 4.00 増加 流行期 5.49 4.73
2週 1月9日から1月15日 4.33 増加 流行期 7.52 7.37
3週 1月16日から1月22日 2.33 減少 流行期 8.19 9.59
4週 1月23日から1月29日 3.00 増加 流行期 8.89 10.36
5週 1月30日から2月5日 2.00 減少 流行期 11.32 12.66
6週 2月6日から2月12日 0.50 減少 なし 11.96 12.94
7週 2月13日から2月19日 22.00 増加 注意報 12.29 12.56
8週 2月20日から2月26日 23.50 増加 注意報 11.31 11.32
9週 2月27日から3月5日 30.00 増加 警報 10.16 10.17
10週            
11週            

乳幼児、小児の保護者のかたへ「インフルエンザ脳症に注意しましょう!」

  • 「呼びかけに答えないなど意識低下がある」
  • 「けいれん重積及びけいれん後の意識障害が持続している」
  • 「意味不明の言動がある」

このような症状はインフルエンザ脳症の初期症状です。すぐに医療機関を受診しましょう。
また、解熱剤のなかには、インフルエンザ脳症の予後を悪化させるものがありますので、解熱剤はかかりつけ医と相談して用いましょう。

用語説明

けいれん重積とは、けいれん発作が30分以上持続した状態やけいれん発作を繰り返し30分以上意識が完全回復しない状態のことです。

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